研究室紹介

電磁波工学研究室

理論と実践から次世代の無線通信技術を支えるアンテナ開発に挑戦しています

アンテナ工学の魅力

理論と実践の調和

アンテナ工学の基礎理論は、物理学と数学の美しい調和です。電磁波がどのように空間を伝わり、どう情報を運ぶのか—その原理を探求することで、全く新しいアンテナの可能性を切り開きます。

Wi-Fi、Bluetooth、5G通信など、私たちの日常生活を支える無線通信技術の根幹にあるのがアンテナ技術です。

試作アンテナ

試作アンテナ

現代社会における重要性

私たちの生活に欠かせないスマートフォンやIoTデバイス、無線通信機器にはすべてアンテナが組み込まれています。これらの技術の進化とともに、アンテナ技術も常に発展し続けています。

特に小型化、高性能化、省電力化が求められる現代において、アンテナ工学の知識と技術は非常に重要です。

シミュレーション

シミュレーション

研究テーマ

理論研究から応用研究まで、幅広いテーマに取り組んでいます

理論・計算中心の研究

小形アンテナの理論限界に関する研究や、周囲物体や人体がアンテナに与える影響の理論構築など、アンテナの基礎原理に関する理論研究を行っています。

基板を含む場合のアンテナ性能予測
角型に変形した場合のアンテナ性能予測
周囲物体がアンテナに与える影響のモデル化
人体近接時のアンテナ特性変化の理論的解析

実験中心の研究

理論研究で得られた知見を実際のアンテナ開発へと応用します。小型化、省電力化、人体近接対応など、革新的な技術で社会課題の解決に取り組みます。

折りたたみや折り返し構造を用いた広帯域小形アンテナの開発
球ヘリカルアンテナの実現と遭難者救助用ビーコンへの応用
折り紙形状による簡易製作可能なアンテナの研究
導電性繊維を用いたウェアラブルアンテナの開発

応用・実用化研究

医療機器、ウェアラブルデバイス、スマートホームなど、私たちの暮らしを便利にする技術の中核にアンテナがあります。アンテナ技術の応用にも力を入れています。

喉や心臓・肺、関節の動きを計測する生体計測用アンテナの開発
土の厚さや水分濃度、塩分濃度、血糖値などを推定する環境測定用アンテナの研究
医療用テレメータや脳波測定のワイヤレス化向けアンテナの開発
ルータやスマホ用の外付けWi-Fiアンテナの反射板開発

研究の流れとスキル習得

理論から実践までの一連のプロセスを経験できます

理論学習とシミュレーション

書籍

電磁波の基礎理論やアンテナ工学の専門知識を学び、文献調査を通じて最新の研究動向を把握します。専用のシミュレーションソフトウェアを使って、アンテナの動作を解析します。

設計・製作・測定

書籍

シミュレーション結果に基づいて、実際にアンテナを設計・製作します。基板加工や半田付けなど、手を動かして製作する工程も重要な学びの場です。製作したアンテナの特性を評価します。

論文執筆と発表

発表のイメージ

研究成果は論文としてまとめ、学会で発表する機会もあります。自分の研究を客観的に整理し、他者に分かりやすく伝える力を養います。プレゼンテーションスキルやディスカッション能力も向上します。

3 年後期の研究活動

  • 輪講(週1回)

    アンテナについての教科書を読んで基礎から学びます。 毎週、担当のページを割り振り、要約して発表。 質疑応答を通して理解を深めていきます。

  • 基礎実験

    輪講で学んだ理論を実験で確認します。 簡単なアンテナをワイヤーから製作し、性能を測定。 予想通りの結果が得られたときの喜びは格別です。

  • テーマ決め

    学期後半には、各自の興味と適性に合わせて研究テーマを決定します。 教員からもテーマ提案を行い、一緒に最適な研究方向を見つけていきます。

4 年生の研究活動

  • ゼミ発表(週1回)

    週1回のゼミ発表で研究の進捗を共有し、質疑応答を通じて理解を深めます。
    主な研究活動

    • 先行研究の調査と理解
    • 既存アンテナの模倣と検証
    • 独自の改良アンテナの設計と製作
  • 中間発表(9月)

    学科での約5分間の中間発表に向けて準備します。 プレゼン資料の作成や発表練習を通じて、アウトプット伝えるスキルを磨きます。

  • 卒業論文と最終発表(2月)

    1年間の研究成果を卒業論文としてまとめます。 文章構成や論理展開の技術を身につけながら、最終発表に向けた準備を行います。

研究設備

充実した設備で理論から実践までサポートします

シミュレーション環境

高性能なコンピュータとシミュレーションソフトウェアを使用して、アンテナの特性を詳細に解析します。様々な条件下での動作を事前に予測し、最適な設計を行います。

計測設備

ネットワークアナライザなどの精密測定機器を使用して、試作したアンテナの特性を正確に評価します。理論値と実測値を比較し、設計の改良に活かします。

製作設備

設計したアンテナを実際に製作するための各種工具や材料を揃えています。基板加工から半田付けまで、様々な試作実験が可能です。

Q&A

Q: アンテナについて全く知識がなくても研究できますか?

A: はい、できます。基本的な電気の知識があれば、研究を進める中で必要なアンテナの知識は徐々に身につけていくことができます。好奇心を持って取り組む姿勢が何よりも大切です。研究室では基礎からしっかりと指導しますので、安心して取り組むことができます。

Q: どのような進路に進むことができますか?

A: 卒業生は医療機器メーカー、通信機器メーカー、SIerなど、幅広い分野に就職しています。アンテナ工学で培った電磁気学や無線通信の知識は、様々な業界で活かすことができます。また、より専門的な研究を続けるために大学院へ進学する学生もいます。

Q: プログラミングスキルは必要ですか?

A: 研究内容によって異なりますが、シミュレーションやデータ解析で基本的なプログラミングスキル(MATLABやPythonなど)があると便利です。ただし、研究室に入ってから学ぶことも十分可能ですので、プログラミング経験がなくても心配する必要はありません。

Q: 英語は必要ですか?

A: 最新の研究論文を読んだり、学会発表をしたりする際に英語を使うことがあります。ただし、基本的な英語力があれば問題なく、必要に応じて徐々に専門的な英語力を身につけていくことができます。英語が苦手でも、まずは研究内容に興味を持つことが大切です。

研究室見学のご案内

実際の研究環境をぜひ見に来てください

教員居室訪問

教員居室(5号館2階)へお越しください

メール連絡

教員へのメール(教員ページに記載)

研究室訪問

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あなたもアンテナ工学の世界へ

電磁波工学研究室では、理論と実践の両面からアンテナ工学の可能性に挑戦しています。基礎理論に興味がある学生も、実際のものづくりや応用に関心がある学生も、それぞれの興味に合わせた研究テーマで卒業研究に取り組むことができます。

私たちの研究室で、次世代の無線通信技術を支えるアンテナ開発に一緒に挑戦してみませんか?